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区分マンション投資とは?メリット・デメリット、成功するためのポイントを解説
区分マンション投資とは?メリット・デメリット、成功するためのポイントを解説
資産形成の手段として不動産投資に興味を持ち、書籍や経験者のブログなどで勉強してみると、不動産投資では区分マンション投資から始めている投資家が多いことに気が付く人もいるのではないでしょうか。どうして区分マンションから始める人が多いのか、その理由をお伝えするために区分マンション投資のメリット、デメリットや注意点などを解説します。
区分マンション投資とは?
区分マンション投資とは、投資用にマンションを一室購入し、賃貸に出して家賃収入を得る投資方法です。物件が単身用ワンルームの場合は、ワンルームマンション投資とも呼ばれます。
物件購入時に不動産投資ローンを利用した場合には、毎月の家賃収入からローンを返済していく形になります。なお、物件の賃貸管理・運営は物件管理専門の会社へ委託するのが一般的です。
区分マンション投資のメリット
区分マンション投資で得られるメリットを6つご紹介します。
需要の高い好立地物件を手に入れやすい
購入するのはマンションの一室ですので、資金的な負担が少なくて済みます。準備できる自己資金が少なくても、一室であれば「都心の駅から徒歩5分の駅近物件」といった好立地物件を手に入れられる可能性が高くなります。
管理の手間を省ける
賃貸管理や物件維持管理はオーナー自らが行うことも可能ですが、手間や時間がかかってしまいます。そのため、これらの業務を管理会社へ委託する投資家が多いです。このように管理の手間が省ける点も、本業のあるサラリーマンなどに区分マンション投資が人気を集めている理由の1つです。
リスク分散をしやすい
不動産投資も投資方法の1つですので、失敗するリスクもあります。しかし、中古の区分マンションであれば物件価格も安いため、一室目の運用が軌道に乗りプラスが増えてきたら、二室目を購入して資産を増やしていくことも可能です。マンション一室では空室時に家賃収入はゼロになってしまいますが、部屋を複数所有しておけば、リスクを分散させることができます。
金利上昇の影響を受けにくい
物件の購入がともなう不動産投資では、金融機関から融資を受ける人が多いです。不動産投資ローンで多いのは変動金利であるため、返済中に金利がアップした場合には毎月の返済額が増えていき、総返済額も増えてしまいます。
アパートやマンションなど一棟へ投資する一棟投資と比べ、区分マンション投資では不動産投資ローンの借入額を少なく抑えられますので、金利が上昇した場合に受ける影響は少なくなります。
売却しやすい
取引市場が準備されていて売却しやすい株式や投資信託などの「金融資産」とは異なり、「現物資産」と呼ばれる土地や建物などの不動産は、買い手を見つけて引き渡すまでに時間がかかります。
しかし、区分マンションは手が届きやすい物件価格である点から、不動産の中では流動性が高い資産だと言われています。そのため出口戦略として売却することになった際にも、区分マンションであれば比較的売却しやすいです。
生命保険としての効果が高い
不動産投資ローンを組む場合、団体信用生命保険(団信)への加入が条件となっていることが多いです。団信に加入しておけば、ローン返済中に万が一の事態が起こった場合、ローン残債は完済されるようになっています。また家族に債務が無い収益物件をそのまま遺せますので、団信が生命保険代わりになると言えるのです。
区分マンション投資のデメリット・注意点
区分マンション投資にはメリットが多いですが、以下のようなデメリットや注意点もありますので確認しましょう。
分散投資しないとリスクが高い
区分マンション投資で所有・賃貸運営するのはマンション一室であるため、家賃滞納が発生したり空室状態が続いたりすると、家賃収入はゼロになってしまいます。その間もローンの返済や管理費の支払いは発生しますので、実質的に赤字です。
このように、区分マンションを複数室購入して運用する分散投資を行わない場合には、何らかのアクシデントが発生したときに資金繰りがうまく行かなくなり、賃貸運営が失敗に終わってしまう可能性が出てきてしまうのです。
高利回りはあまり期待できない
一棟投資に比べ、区分マンション投資では年間家賃収入に対する必要経費(管理費・修繕積立金・固定資産税など)の割合が大きい傾向にあります。また空室リスクを避ける目的で好立地条件の物件を購入する場合、物件価格は高くなるため、結果的に高利回りはあまり期待できなくなります。
一棟マンション投資と比べて自由度が低い
投資用にマンションを一棟丸ごと購入して賃貸運営をする場合、建物全体のオーナーになります。入居率を上げるために、外観やエントランスなどの共有部分の修繕やリフォームなども自由に行うことが可能です。
一方区分マンション投資では、外観やエントランスなどが破損していたり汚れていたりしても、自分で修繕の手続きをすることはできません。この点から、区分マンション投資は一棟マンション投資よりも自由度が低いと言えるでしょう。
融資の審査基準が厳しくなる場合がある
不動産投資ローンの審査基準には、申請者の属性や信用情報だけでなく、物件の収益性の高さも含まれています。マンション一棟の場合では、収益物件の担保評価に土地も含まれます。一方、区分マンションの場合にはマンション一室のみであるため、担保評価は小さくなり、融資されにくくなる場合もあるのです。
区分マンション投資が儲からない・やめとけと言われる理由
メリットが多い区分マンション投資ですが、デメリットに注目し過ぎると、「区分マンション投資は儲からない」という極論に至ることもあるようです。しかし、ご紹介したようなデメリットをカバーしておけば、区分マンション投資は成功につながる可能性が高くなります。
そのためにまず重要なのは、好立地条件の物件を購入することです。物件価格は少し高くなるため高利回りは期待できませんが、空室リスクを減らせることができ、家賃収入やローン返済が滞る可能性も低くなります。また着実に利益を重ねていくことで資金繰りも安定すれば、複数室の賃貸運営へ乗り出すチャンスも訪れるでしょう。
区分マンション投資ではメリット・デメリットをしっかり把握したうえで、好立地の物件を選ぶことをおすすめします。
区分マンション投資をおすすめできる人
これまで解説してきた内容をまとめると、区分マンション投資をおすすめできるのは以下のような人です。
少ない自己資金で始めたい人
自己資金が少ない場合でも、不動産投資ローンを利用すれば区分マンション投資を始められます。収益目的の不動産投資ローンの審査は、一般的な住宅ローン審査に比べて厳しいです。しかし物件価格が高額過ぎない区分マンションであれば、借入金額も大きくなりませんので融資が通りやすいです。
本業に時間をとられてしまいがちな人
不動産投資では、基本的に物件管理を管理専門の会社に委託します。また区分マンションの場合では、所有している一室だけを管理すれば良いため、一棟投資よりも管理の範囲が小さいのもメリットです。
老後に備えたい人
区分マンション投資では、高利回りをあまり期待できませんが、好立地の区分マンションであれば安定した家賃収入を得られる可能性が高くなります。つまり、区分マンション投資は長期的に運用するのがベターです。
ローンを完済した頃には、ちょうど老後生活が始まる時期と重なる人も多いでしょう。その後は家賃収入と必要経費の出費だけになりますので、老後資金の足しにできます。
区分マンション投資で失敗しないためのポイント
区分マンションを投資物件として選んだ場合に、押さえておきたいポイントをまとめましたので、ご確認ください。
不動産投資の知識をつける
物件を選ぶ際には、空室リスクやそれを減らすための対策などの知識がないと、収益性が良くない物件を購入してしまうリスクがあります。区分マンション投資では一室からの家賃で収入を得ますので、リスクを減らすために不動産投資の知識をつけてから物件選びや運用を行っていきましょう。
複数の不動産投資会社から信頼できる1社を選ぶ
不動産投資を始めるには、物件選びや収支計画作りの際には専門家からのアドバイスがあった方が安心です。そのため、どの不動産投資会社を選ぶかがポイントになります。
不動産投資物件を扱う会社はかなりありますので、信頼できる1社を見つけるには複数社に相談してから決めることをおすすめします。また不動産投資会社を複数社で比較検討できるサイトを利用してみたり、気になる物件を掲載している不動産投資会社のセミナーに参加したりしてから決めるのも良いでしょう。
好立地な中古物件への投資から始める
好立地物件は物件価格が少し高くなります。そこで無理のないローンを組むためには、好立地な中古物件を選ぶのがおすすめです。毎月のローン返済を適度な範囲に収めることで自己資金に余裕を持たせられますので、修繕費の発生など突然の出費にも対応しやすくなります。
納得できるまで慎重に検討する
区分マンション投資で起こり得るリスクには、空室や家賃滞納、修繕費の発生などさまざまなものが挙げられます。これらに対してどの程度の準備金があれば安心なのか、しっかりとシミュレーションしておき、納得できる物件なのかどうかを慎重に検討しておきましょう。
まとめ
区分マンション投資を行うには、メリットだけでなくデメリットもあることを認識したうえで、デメリットへの対策をしっかりと準備することが成功のポイントです。また不動産投資を成功させるには、勉強を続けながら物件の善し悪しなどを判断できる知識をつけていくことが大切だと言えるでしょう。