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サラリーマンにも不動産投資はおすすめ!メリットやリスク、成功するためのポイントを解説
サラリーマンにも不動産投資はおすすめ!メリットやリスク、成功するためのポイントを解説
近年、サラリーマンの副業として不動産投資を行っている方の割合は増えてきています。給与に加えて、他の収入源を確保する目的で始める方が多いです。
本記事では、サラリーマンが不動産投資を行うメリットだけでなく、失敗してしまう理由と成功のポイントについても徹底解説します。特に不動産投資を今から始める方はぜひ参考にしてください。
不動産投資はサラリーマンにもおすすめできる
不動産投資は、比較的ハードルの低い投資方法です。さまざまな職業の中でもサラリーマンの副業として不動産投資がおすすめである理由としては、主に以下の2つが挙げられます。
- ・安定した収入があるためローンによる融資を受けやすい
- ・空室による家賃収入の滞りがあった場合でも生活費に困らない
しかし、実際に不動産投資を行っている方の中で、サラリーマンが占める割合はどれくらいなのでしょうか。
不動産投資家のうちサラリーマンが占める割合
個人投資家として不動産投資の経験がある方のうち、約4割以上が会社員、公務員などのサラリーマンです。このデータから、サラリーマンの副業として、不動産投資の認知度は決して低くないことがわかります。
参考:「個人投資家への不動産投資に関するアンケート調査結果について(令和元年9月27日)」|国土交通省
年収いくらあれば不動産投資を始められる?
サラリーマンの方が副業として不動産投資を行う場合、理想的な年収は「700万円」前後だと言われています。この年収は、物件の購入費として不動産投資ローンを組む際に受ける「金融機関の審査通過基準」でもあります。
ただし、地方銀行やメガバンク、近年で増加しているネット銀行なども含めると、数多くの金融機関がありますので、審査基準もそれぞれ違います。そのため年収700万円は目安であり、さまざまなリスクも考えれば年収1000万円以上あればより安心できます。また、融資可能額は年収の10倍前後だと覚えておくと良いでしょう。
サラリーマンが不動産投資を始めるメリットとは?
まずは、サラリーマンが不動産投資を行う場合に得られるメリットについてご紹介しましょう。
収入源を増やせる
サラリーマンの収入には、本業の給与があります。そのため副業として不動産投資を始めた場合には、本業の給与にプラスして、家賃収入による不動産収入も得ることができます。
融資の審査に通りやすい
不動産投資を行う際には投資物件を購入する必要がありますが、その際に不動産投資ローンを利用する方が大半です。ローンの審査では安定した収入があると属性が高いと見なされ、通過しやすくなります。
サラリーマンで勤続年数が長い場合、安定した収入があると判断されますので、不動産投資ローンの審査に通りやすいのです。
節税効果が見込める
家賃収入は、税法では不動産所得となります。サラリーマンの場合、確定申告で給与所得(年末調整済)と不動産所得を合わせ、その総所得額によって所得税・住民税の金額が決まります。不動産所得がある場合には、減価償却費や必要経費の存在により、課税対象所得額を減らすことが可能です。これが「損益通算」と呼ばれる方法です。
不動産投資では物件は経営に必要な減価償却資産ですので、経年劣化により発生する減価償却費を毎年の確定申告で「経費」として計上できるのです。その他、賃貸経営上必要な管理費・入居者募集の広告費なども経費として計上できます。
本業に支障をきたすことがほとんどない
不動産投資では家賃の回収、物件管理、入居者の募集などの作業がともないます。しかし実際には、多くの投資家は管理会社に委託していますので、手間をかけずにすみます。
株式やFXなどの場合は値動きを注視する必要がありますが、不動産投資ではそのような手間がかからず本業に専念できますので、サラリーマンに向いている投資方法と言えるでしょう。
資金的な余裕がある
不動産投資による家賃収入は、空室発生による収入減または収入ストップのリスクが常に存在します。サラリーマンの場合は毎月安定した給与も得られますので、万が一家賃収入が滞ってしまった場合でも、生活費に困ることがありません。また家賃収入が得られてダブルで収入があれば、貯蓄やローンの繰上返済に回す余裕も生まれます。
生命保険代わりになる
不動産投資で多くの方が利用する不動産投資ローンでは、団体信用生命保険(団信)への加入が条件となっている場合がほとんどです。ローン返済中に債務者が死亡または高度障害状態など万が一のことがあった場合には、団信より融資元の金融機関へローン残債が支払われる仕組みになっています。
また遺族に返済負担のない投資物件を遺すことができますので、不動産投資はまさに生命保険代わりになると言えるでしょう。
サラリーマンは不動産投資で失敗してしまうことも多い!
不動産投資は本業を持つサラリーマンに向いている投資方法ですが、実際には以下のような失敗ケースに陥る可能性も潜んでいますので注意してください。
営業マンの話に乗せられてしまう
営業マンも投資物件の売買仲介をするのが仕事ですので、中には自分の成績を優先し、買い手となる投資家のことを考えてくれない営業マンもいます。「この物件は利回りが良いのでおすすめですよ!」など、営業マンに勧められるがまま投資物件を選ぶのはリスキーです。
不動産投資の知識がないまま始めてしまう
不動産投資では、物件管理を管理会社へ委託することで手間をかけずに長期的に投資を続けていけるメリットがありますが、オーナーである投資家自身が不動産投資の知識がない状態で始めるのも避けましょう。管理会社にすべて任せきりにしてしまうと、資産運用が傾く予兆に気づけないこともあります。
節税や保険目的だけで始めてしまう
不動産投資で高い節税効果を得られるのは、課税総所得金額が900万円超(年収目安1,200万円超)の方です。日本の所得税率は、課税所得額が増えるほど高い税率となる超過累進税率であり、課税総所得金額が695万円超900万円以下では23%ですが、900万円超では33%にまで跳ね上がります。
節税目的で不動産投資を始めたいと思っても、年収が1,200万円超でない場合にはそれほど節税効果を得られません。また団信などの保険目的で始めても、不動産投資では大きなローンを抱えることになりますので、保険的役割を果たすメリットよりも資金繰りに失敗するデメリットの方が大きいので、避けた方が良いでしょう。
相場を把握せず、利回りの悪い物件を買ってしまう
そのエリアの物件価格の相場を確認せずに物件購入を決めてしまった場合、総合的に利回りがさほど良くない物件だったことに後から気づく可能性もあります。そのような事態を避けるために、エリアごとの物件価格の相場は必ず確認しておきましょう。
修繕費などの費用の見積もりが甘い
不動産投資をフルローンで始めた場合などには、突然の出費に備えた資金をプールしておかないと、毎月のローン返済が苦しくなってしまい投資に失敗するリスクが高まります。突発的な事態に備えるために、費用の見積もりは余裕がある金額になるようにしておき、何かあったときに対応するためのお金も準備しておくことをおすすめします。
サラリーマンが不動産投資で成功するためのポイント
ローン審査における属性の高さから不動産投資に挑戦しやすいと言われるサラリーマンの方であっても、ご紹介したような失敗リスクがあります。そこで不動産投資で失敗しないために、以下の6つの対策を行っておきましょう。
不動産投資の勉強をする
賃貸経営の経験者のブログや投資のプロが執筆した書籍など、不動産投資に関するさまざまな知識を学ぶためのものは数多くあります。不動産投資の仕組みやある程度の知識を把握したら、不動産投資会社が無料で主催している不動産投資セミナーへ参加してみるのもおすすめです。
長期的な投資シミュレーションをする
不動産投資では、家賃収入からローンの返済をしつつ収益を積み重ねていくのが基本ですが、出口戦略として売却までを想定してシミュレーションしておくことも大切です。物件価格が妥当かどうか判断するためには、購入前に物件価格や家賃相場、利回りの相場などをチェックし、長期にわたるシミュレーションを行うようにしましょう。
信頼できる不動産投資会社を見つける
投資物件の購入や物件管理などで、投資家と長いお付き合いとなるのが不動産投資会社です。自分の利益を優先するような営業マンがいる会社は避け、デメリットについてもしっかり教えてくれるような信頼性の高い会社を選ぶようにしましょう。
さまざまなリスクを把握する
不動産投資で起こり得るリスクには以下のようなものが挙げられます。これらについても事前に把握しておくことが大切です。
■金利上昇リスク
ローン返済とともに支払っていく金利には「固定金利」と「変動金利」があり、一般的には変動金利を選ぶことが多いです。現在は超低金利時代が続いていますが、先のことを予想するのは難しいため、利率改定によって利率が上がる可能性もゼロではありません。
■空室・家賃滞納・家賃下落リスク
空室・家賃滞納・家賃の下落などが発生すると、家賃収入が減少します。一戸に投資している場合には、家賃収入はゼロになってしまいます。また預貯金から毎月のローン返済や管理費等の支払いを行わなければならないため、資金繰りの悪化につながる恐れがあります。
■災害リスク
昨今、日本では地震だけでなく、線状降水帯による土砂災害などが増えています。これらの自然災害による被害は防ぐことが難しく、投資物件が倒壊する可能性もあります。物件を選ぶ際には、防災ハザードマップなどを確認して災害に遭いにくいエリアから選ぶようにしましょう。
■修繕リスク
どんな投資物件も経年劣化は避けることができません。建物だけでなく、設備もだんだん劣化していきますので、いつかは修繕が必要となります。突然の出費に慌てないためには、修繕費は多めに見積もり、予算を準備しておきましょう。
立地の良い中古物件への投資から始める
中古マンションや中古の戸建て住宅は新築物件よりも家賃相場が下がりますが、物件価格が手頃なため、総合的に新築物件よりも高い利回りとなる傾向があります。そのため、初心者の方は修繕費など突発的な出費に備えつつ、中古物件から始めてみることをおすすめします。また空室リスクの回避と売却のしやすさから、立地の良い中古物件を選びましょう。
実際に物件に足を運んで確認する
東京23区内など、「居住地からは遠いけれど、空室率の低いエリアで不動産投資を行いたい」と考える方も多いでしょう。コロナ禍で面談のオンライン化が進んでいますが、面談で投資物件の候補が定まったら実際に現地に行って確認することをおすすめします。近隣の様子や入居者の状況など、現地へ足を運んでみないとわからないことも多いですので、物件購入を決定する前にはぜひ一度現地で確認するようにしましょう。
まとめ
本業のあるサラリーマンが不動産投資を行う場合、多くのメリットがありますが、勉強不足で足を踏み入れると、カモにされてしまう可能性があります。最終的には自己責任ですので、不動産についてしっかりと勉強しておき長期的に運用していく目的を忘れないようにしましょう。不動産投資においては、適切な不動産投資会社を選ぶのも重要項目の1つです。信頼できる会社を選んで、不動産投資を成功させましょう。