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マンション経営を始めるメリット・デメリットを解説!失敗しないためのポイントも
公的年金から将来受け取れる金額が期待できないと言われる昨今、老後の資金形成のために不動産投資を始める方が増えています。その中でも初心者向けと言われるのが、「マンション経営」です。
本記事では、マンション経営で得られるメリットやデメリット、また失敗しないために気をつけたいポイントについて解説します。
マンション経営とは?
まずはマンション経営で収益を得る仕組みや、アパート経営との違いを知っておきましょう。
マンション経営で収益を得る仕組み
マンション経営とは、「マンションの1部屋や1棟などを準備してマンションオーナーとなり、賃貸に出すことで家賃収入(インカムゲイン)を得る」投資方法です。ワンルームマンション1部屋の場合は「ワンルームマンション投資」と呼ばれ、少額から始められるのが特徴です。資金が必要になった際には、マンションを手放すことで売却益(キャピタルゲイン)が得られます。
マンション経営はアパート経営よりもおすすめ?
アパート経営は「アパートを1棟準備して賃貸経営を行う」投資方法です。アパート経営は建物を1棟準備する必要がありますが、部屋が複数あるため家賃収入は大きくなります。
マンション経営でも1棟経営は可能ですが、1部屋から手軽に始められる点がアパート経営との大きな違いでしょう。マンション経営で不動産運用がうまくいけば、部屋数や収入を増やしていくこともできます。
マンション経営を始めるメリット
1部屋から始められる点以外にも、マンション経営には以下のようなメリットがあります。
長期間の安定収入が見込める
マンション経営では入居者がいる限り、安定した家賃収入を長期間にわたって得ることができます。サラリーマンなど本業がある方や自営業の方も副収入を得られますので、子どもの教育資金や老後資金づくりに役立つでしょう。多くの方は不動産投資ローンを組んで物件を購入しますが、ローン返済は家賃収入の範囲で行いますので、完済後には家賃収入だけが残ります。
資産価値が高く、下がりにくい
RC造のマンションの耐用年数は47年です。木造アパートや戸建て住宅の22年と比較すると、資産価値が下がりにくいのが特徴です。またマンションなど中高層の高さがある集合住宅を建設できる土地は、用途地域が限定され、駅近など立地が良い場所がほとんどです。
このようにマンションは高い資産価値が維持できるため、経年劣化による家賃の下落設定の頻度も少なくて済み、出口戦略として売却する際にも買い手がつきやすくなります。
リスク分散ができる
中古マンションを投資用に選んだ場合、ワンルームマンション1戸であれば初期費用も抑えられ、資産運用が早めにプラスになっていきやすいです。資産運用が軌道に乗ったら、同様に中古のワンルームマンションを投資用に購入できますので、空室発生時などの収入減リスクを分散させることが可能になります。
中古マンションの1棟投資では初期費用はかかりますが、新築マンションよりも抑えられます。また家賃滞納が発生しても、他の部屋からの家賃収入があるため収入減のリスク分散が可能です。
物価や景気変動の影響を受けにくい
マンション経営も投資方法のひとつですので、経済の変動による影響は少なからず受けますが、株式などの投資方法と比べると、それほど大きくありません。国土交通省が毎月公表している不動産価格指数によると、昨今のコロナ禍でも不動産価格は上昇し続けています。
また住宅はどんな経済状況の中でも必要であることから、賃貸需要は下がりにくい特徴もあるのです。
管理の手間を減らせる
投資用に物件を購入したら、後は入居者を募集して賃貸経営していくことになりますが、物件の管理業務は管理会社に委託することが可能です。実際、ほとんどの不動産投資家は管理会社に委託しているのが現状です。そのため、居住地から遠方に投資物件を購入したり、会社員など本業のある方が不動産投資を行ったりすることも可能です。
節税や生命保険としての効果が期待できる
家賃収入による不動産所得では、減価償却費や必要経費などを計上できます。所得税や住民税などの課税対象額を減らせることから、節税対策となる可能性があります。また不動産所得が会計上で赤字になりやすい初年度には、給与所得と損益通算することで、さらに課税対象額を下げられる可能性が高いです。
不動産投資ローンを組む場合には、団体信用生命保険へ加入することになります。ローン返済中に万が一のことがあった時にはローン残債は保険で完済され、負債のない投資物件を家族に遺せますので、生命保険代わりとしても役立つと言えるでしょう。
マンション経営のデメリット
しかし、マンション経営では以下のようなデメリットもあります。
空室・家賃滞納で収入が滞るリスクがある
マンション経営に限らず、どんな物件でも付きまとうのが空室リスクと家賃滞納リスクです。退去後にできるだけ間を空けずに次の入居者が決まって空室リスクが解消できれば良いのですが、毎回そうなるとは限りません。
また家賃滞納が発生した場合、オーナーとしては滞納している借主にすぐにでも退去してもらいたいところですが、滞納期間が3ヶ月を過ぎてからやっと内容証明を送付できるなど、賃貸借契約の解除には段階を踏む必要があります。そうならないために、入居者の審査はしっかりと行うようにしましょう。
自然災害のリスクがある
地震や台風被害などが多い日本では、自然災害によるリスクも避けられません。自然災害が発生する可能性が高いエリアに収益物件を購入した場合には、建物の修繕費や入居者の安全管理、損害賠償などさまざまなリスクにつながります。
自然災害のリスクを少しでも減らすためには、物件購入前にハザードマップなどを活用して自然災害が発生する可能性が低いエリアをチェックし、そのエリアで新耐震基準が制定された後に建てられたマンションを探しましょう。
初期費用・維持費が高い
マンションの1棟投資は家賃収入が多い点がメリットですが、物件価格が高額であるため、初期費用や維持費も高くなるのがデメリットだと言えます。そこで失敗しないためには、信頼性の高い不動産投資会社や建設会社を見つけ、マンションの建設段階から運用に至るまでの収支シミュレーションを行うことが重要になってきます。ただし、マンション1戸の場合には、物件価格が抑えられるため、初期費用や維持費も抑えることが可能です。
不動産投資ローンで受けられる融資額は、一般的に年収の約10倍前後だと言われています。また融資に通過しやすい年収は700万円以上、不動産投資を安全に始められる年収は1,000万円以上が目安です。
突発的な修繕費が発生するリスクがある
マンションでは約15年ごとに大規模修繕が行われますので、そのための修繕計画が立てておき、修繕費を積み立てていく必要があります。大規模修繕ではサッシや設備などを全戸で一新するなど、大きな被害が出る前に行うことが想定されていますが、経年劣化により突発的な修繕が必要となる可能性もゼロではありません。共用部の修繕費はオーナーが負担しますので、修繕費を準備しておくようにしましょう。
マンション経営で失敗しないためのポイント
メリットが多いマンション経営ですが、1棟投資の場合ではアパート経営よりも初期費用がかさむなど、さまざまなリスクもあります。マンション経営を始める場合、失敗しないためにも次の4つのポイントを押さえておきましょう。
立地を重視する
マンション経営で一番怖いのは、空室リスクや家賃滞納リスクです。収入が途絶えるとローン返済も難しくなり、資金繰りがうまくいかなくなってしまうでしょう。
空室リスクを下げる対策としては、駅近など賃貸需要の高いエリアを選ぶのがおすすめです。東京付近は単身者の転入人数が安定しているため、賃貸需要も高めです。さらに立地の良い物件であれば、空室率も低いのでおすすめです。
また家賃滞納リスクへの対策には、入居者審査をしっかり行うことが重要です。支払い能力の確認や身元保証人の確保などをしておきましょう。
実質利回りに注目する
物件情報に載っている利回りは「表面利回り」であることが多いので、注意しましょう。表面利回りの計算には物件の管理費など必要経費が含まれていませんので、見かけ上の利率が高くなります。そのため必要経費など現実的にかかる費用を含めた「実質利回り」を自分で計算し、物件を選ぶようにしましょう。
初心者は中古物件から、2件目以降は新築物件も検討する
新築物件は高い家賃を設定しやすく、突然の修繕費が発生しづらいなどのメリットがある反面、物件価格が高いことから初期費用がかかります。そのため不動産投資が初めての方は、手が届きやすい中古物件から始めると良いでしょう。中古マンションならば、初期費用や維持管理費を抑えることができます。そして資金繰りがうまくいくようになってきたら、2件目以降は新築物件を考えても良いかもしれません。
勧誘に乗らず、自分で知識をつけてから始める
相続などで土地を所有していると、「マンション経営で土地活用しませんか?」といった勧誘をデベロッパーなどから受けることもあるでしょう。しかし、勧誘を受けてもすぐに話には乗らず、マンション経営のセミナーに参加したり、書籍や経験者ブログなどで勉強したりして知識をつけることから始めましょう。
まとめ
マンション経営は、長期的に安定した収入を得る可能性が高い投資方法です。まずは立地の良い中古物件をピックアップし、最終的には実質利回りで物件を選ぶことがポイントとなります。空室率を下げるためには、賃貸需要の高い東京圏の駅近マンションがおすすめですので、信頼できる不動産投資会社に相談して良い物件に投資していきましょう。